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ほくとと

所沢で地域活動をしている方々の
インタビューをご紹介します。

  • ほくとと インタビュー

株式会社リハロー|藤本亮一さん

藤本亮一さん

人はいずれ老い、介護をする側、あるいはされる側になります。その際に多くの人が関わりを持つのがリハビリテーション。いつまでも健やかに笑顔で過ごすため、身体的・精神的に調子が悪いところの改善を目的としています。今回は、そんなリハビリテーションを通じて、所沢を元気にしようと日々精力的に活動されている藤本亮一さんに、介護のあるべき姿についてお話を伺いました。

藤本 亮一(ふじもと りょういち)さん

1980年埼玉県生まれ。リハビリテーションの専門家、作業療法士(OT)として病院勤務からキャリアをスタート。2013年11月に通所介護事業『デイサービス リハロー』、同年12月に居宅介護支援事業『居宅介護支援事業所ライフプラン』を開業。2019年より訪問看護事業『訪問看護ステーション リハロー』を開始。事業の傍ら、所沢市内で介護に関する勉強会を定期的に主催するなど、地域に役立つリハビリの知見共有にも励んでいる。

地元の所沢で、利用者のためになる介護サービスを提供したい

――藤本さんが、介護事業に関わりを持ち始めたきっかけは何ですか?

「私は子どものころ、両親が共働きで忙しくしていたため祖父母と過ごした時間が長く、その影響から高齢者に対して親近感を持つようになり、いつしか高齢者の役に立ちたいと思うようになったんです」

「リハビリテーションの専門家として最初に勤務したのは病院でした。院内のリハビリテーションセンターで作業療法士として勤務していたのですが、ある時、患者の方々の退院後の生活環境に興味を持つようになったんです。『退院後、リハビリを辞めてどうやって健康を維持していくのか』『退院後の生活こそリハビリが大事なのではないだろうか』そう考え、徐々に訪問看護や居宅介護に興味を持つようになったんです」

「そこで病院勤務を続けながら週に一度、訪問看護ステーションでアルバイトをする生活を始めました。そこは医療と介護の架け橋のような場所で、看護を受ける方の自宅に伺ってリハビリをサポートしていました。まさに自分が興味を持った分野の仕事ができ、大きなやりがいと奥深さを知ったので、数年後には病院を退職して、訪問看護ステーションで正社員として働くようになりました」

――その後、所沢市で開業した理由を教えてください

「“リハビリテーション” という言葉の意味は、往々にして誤解されがちなように感じます。悪いところを本質的によくするのがリハビリなのに、ラジオ体操や棒体操などの運動そのものがリハビリだと思っている方が多く見受けられます」

「当時、私が勤務していた都内の訪問看護ステーションでは、利用者の身体状況に合わせたリハビリを提供していましたが、所沢市には同様のものがありませんでした。そこで、自分が生まれ育った所沢市にそういうリハビリを提供し還元したいと思い、開業したのです」

「まずは、デイサービスからスタート。事業がある程度波に乗り、訪問看護事業を開業する上で必要な資格を持つ訪問看護師が仲間になってくれたところで、満を辞して訪問看護ステーションのリハビリ事業を開始しました」

  • デイサービスリハロー▲地域への恩返しの意味で開業したデイサービスリハロー(所在:小手指町)
無駄な介護保険、無駄なリハビリをなくしたい

――社名や事業名になっている「リハロー」にはどのような意味があるのですか?

「一つは『また、会いましょうね(Re Hello)』。リハビリを受けている高齢者の方は、今日会えたからといって明日も会える保証はありません。なので『また明日会えるように』という願いを込めて名付けました。もう一つは『リハビリとハロー』。ダジャレのようなものですね(笑)」

――事業内容について詳しく教えてください

「デイサービス リハローでは、病院と同等のリハビリテーション設備を整え、利用者にリハビリの指導をしています。階段の昇降や筋力アップのトレーニング、絵葉書や切り絵などの作品づくりといった日常生活を意識したリハビリ内容を、利用者一人ひとりに合わせて提供しています」

「訪問看護ステーション リハローでは、看護師や作業療法士が利用者の自宅に訪問してリハビリ指導しています。頻度は利用者によって1日2回〜週1回などバラバラで、看護師や作業療法士が個別に計画書を作成して対応しています。看護師、作業療法士と利用者の信頼関係がとても大事な仕事なので、良い関係性を構築してくれているスタッフたちにはとても感謝しています」

「居宅介護支援事業所 ライフプランでは、ケアマネージャーが利用者の身体状況に合わせ、適切な介護サービスなどをまとめた計画書(ケアプラン)を作成しています。リハビリは『そのうち』ではなく『いま』必要なもの。時間が命なので、困ったタイミングですぐ相談してほしいと思っています」

――事業を営む上で大事にしていることを教えてください

「リハビリは、ケガや病気などの治療と同じで、どこをゴールに定めるかが大事だと思っています。『足をうまく動かせるようにする』など、目的があって始めているはずなので、必ず3ヶ月や半年など、区切りを設けて目標を設定しています。達成したら無事終了ですし、他の箇所が悪くなった時には再度相談して、新たな目標を設定しているんです。人は目標があるからこそ頑張れます。当初の目標をぶれさせないことがリハビリの意義としても重要なので、そこは常に意識していますね」

「また、デイサービスを利用いただいている間はなるべく身体を動かす時間にしていただいています。特に入院していた方に多いのですが、体を動かす量が減っている利用者をよく目にします。デイサービスは、そんな利用者の体を動かし、衰えさせない機会をつくる場所。もちろん、ひとりの時間を大切にされたい時はその気持ちを優先していますが、基本的にゆっくりする時間は自宅で、デイサービスにいる間は懸命に体を動かす時間にしてもらっています」

  • リハビリ機器▲デイサービスでありながら、病院のリハビリ施設と同等の機器を設置

――リハローの基本理念「無駄な介護保険を使わないためにも、サービス必要の有無を的確に評価する」とはどういうことでしょうか?

「介護保険事業は、私たちみんなの税金で成り立っています。無駄の無いよう、目標をしっかり決めて確実に効果を出し、必要な分だけ使うのがあるべき姿です。また利用者本人にとっても、無駄に長くリハビリをすることは得策とは言えないので、本当にそのリハビリが必要か判断をしていくのが大事なことだと考えています」

「また、私たちは『他職種の業務にも積極的に関心を持ち、連携を図る』ことも常に意識しています。私たちのような専門職は、自身の専門領域については当然、豊富な知識を有しますが、それ以外の知識は浅い場合が多いんですね。そうなると、ひとりの利用者に対して複数人の専門職が関わるような場合には、他の専門職が何をどこまでできるのかが分からず、的確な仕事の依頼がしづらくなります。相手の仕事内容に関心を持ち、少しでも知ることが、スムーズな連携と無駄のないリハビリにつながるのです」

  • リハビリ指導▲作業療法士としてリハビリ指導をする藤本さん
まずは自身の身体機能について知ることが、健康寿命の延伸につながる

――専門職者や地域住民向けに開催している勉強会について教えてください

「様々な形で開催していますが、その中でも力を入れているのは所沢市内の各分野の専門職が集まる『ところざわ地域ケアの会』です。地域やコミュニティで役立てるような知識や技術を様々な角度から共有し、私たち主催者も一緒になって勉強をしています。以前は毎月実施していましたが、最近はコロナ禍の影響もあり不定期の開催になっています」

「地域の皆さま向けには、地域包括支援センターから依頼され、身体機能を維持・向上させるための生活リハビリ講習や公民館での運動教室などを開催しています。役所からは、健康増進に関する講義を依頼されることもありますね」

「いまは『健康で長生きする=健康寿命延伸』が強く訴えられている時代ですが、その方法を自分で勉強するのはなかなか大変です。地域で定期的に勉強会や運動を意識する機会を提供することで、皆さんの意識や知識レベルを少しずつ変えていくことに貢献できたらと考えています」

――なぜ勉強会に力を入れているのでしょうか?

「介護やリハビリに対するイメージを、ネガティブなものからポジティブなものに変えたいからです。リハビリは、心身ともに健康状態を維持・改善するためのものですが、やり方一つで効果が変わってきます。その日の体調などに合わせて適切な身体の動かし方をしないと、逆に悪化する恐れもあるのです。リハビリは動くことが前提ですが、動くのは意外としんどいですよね。だからといって怠けると、どんどん身体能力が衰えていき動けなくなります。地域の方には、そのことを知った上で前向きにリハビリと向き合い、できるだけ長く健康に過ごしてもらいたい。そんな想いが人一倍強いので、講義などの依頼を受けた際は、極力断らないようにしています」

  • 勉強会▲“高齢期の住まいについて考える勉強会”の様子
いま、所沢に必要なのは「つながり」

――地域ケア(「地域ぐるみで高齢者を支えよう」という考え方)において、これからの所沢地域に必要なことは何だと思いますか?

「異業種間のつながりでしょうか。介護事業所同士はそれなりにつながりがあるのですが、地域全体で高齢者を支えるためには、様々な業種の方を巻き込んだケアを考えていく必要があると思っています」

「介護は、家族だけで取り組むと疲弊して破綻しかねません。そこに、家族でも介護事業者でもない地域の方や事業者がチームに入ってくれると、とても強いコミュニティになります。しかし所沢は、そういう地域としての関わり合いが薄いように感じます」

「高齢者にとって、地域とのつながりは暮らしやすさと直結します。そういう意味では今後、『地域ぐるみでのサポート体制の有無』が、老後も安心して暮らせる町としての判断指標になる時代がくるかもしれませんね」

「もう一つ、所沢地域に必要なことは役所との関係性をもっと濃密にしていくことです。介護が必要な方を効率的にサポートするためには、役所とのつながりがとても大事です。実際、役所との連携ができている地域は、小さな市町村でも大きなことができています。民間と行政のつながりが濃くなると、地域の人たちがより暮らしやすくなるので、所沢にもそういうよい流れがつくれたらいいなと思っています」

――高齢化社会における「住」のあり方については、どのようにお考えでしょうか?

「バリアフリーの重要性は、もう何年も前から言われ続けていますよね。実際、車いす生活の方には、とてもいい環境だと思います。ただ、それなりに動ける方に対してもバリアフリー環境を与え過ぎてしまうと、逆に足腰や頭の衰えにつながる懸念があります」

「たとえば玄関の上がり框(かまち)はバリアフリーにせず“バリアアリー” にして、ご自身の足の力で登ってもらうようにするなど、これからはバリアフリーの使い分けを意識してもらいたいです」

「どうしても危険性が気になる方は、バリアがある箇所に目立つ色のテープを貼るなど、事故予防とバリアフリーのバランスを見ながら対策してみてはいかがでしょうか」

  • ▲目立つ色のテープを貼った上がり框
所沢で本当に困っている方々を助けたい

――今後の事業展開について、どのようにお考えですか?

「たまに同業関連者から『ほかの市区町村でも介護事業を展開しませんか』という話をいただきますが、事業を拡大しようという気持ちはないんです。なぜかというと、所沢市だけでも高齢者人口が多く、満足に手が行き渡っていないからです」

「私は『薄く広く』ではなく『濃く狭く』サービスを提供していきたいと常々思っているので、対象者を広げるのではなく、より個人の満足度を高めるサービスを提供し続けたいと思っています」

「このコロナ禍において、全国的にはデイサービスの利用を控える方が増加したと言われています。そんな中、リハローでは利用者の減少はありませんでした。それは、日頃常々言い続けているリハビリの重要性が利用者の方たちに伝わったからではないかと考えています。新型コロナウイルスに感染する怖さもあるけれど、それ以上にリハビリを受けないことによって自身が何もできなくなることの怖さの方が、強く感じられているのではないでしょうか。その怖さを持つ人たちをきちんとフォローしていくのが、私たちの役目。これからも末長く、所沢で本当に困っている人たちを助けていきたいです」

――今後の目標を教えてください

「これからも所沢で暮らす多くの高齢者の方々にとって健康面に不安なく過ごせる環境を提供することが目標です」

「少し前に、ほとんど寝たきりだった50代の女性が、毎日デイサービスに通い、リハビリを頑張った結果、歩行器を使って歩けるようになりました。いまはその方のお母さまが肩のリハビリを受けに来てくれているので、親子共に支えられているという実感があり、とても嬉しく思っています。こういうエピソードをどんどん増やしていきたいですね」

「まだまだ、介護にネガティブなイメージを持たれている方も多いかもしれませんが、ぜひポジティブな気持ちで相談しに来てください。人は皆、誰だって介護をする側、される側になる可能性があります。なので『介護は日常的なこと』と捉え、あまり負担に感じず受け入れてもらいたいです」

「そうして、少しずつでも介護が当たり前のものへと変わっていったら何より嬉しく思います」

-インタビューを終えて-

今回の取材では介護に対する一人ひとりの意識を変える必要があること、そして地域という「面」で考え、つながりを濃くしていくことが、これからの介護の在り方に必要であるといった藤本さんの考えを伺えました。

私たち北斗グループが取り組む「空き家問題」も、多くの方がいずれ直面する課題であり、一人ひとりが自分事として意識すること、そして地域住民が地域の問題として捉え理解と協力をすることが重要です。私たちと同じく、藤本さんが地域向けに勉強会を開催している姿勢も共感するものがありました。

分野は違えども、地域の課題を解決するという点では通じており、住みよい街の実現のためにも見習いたいと思うことが沢山ありました。地域課題に取り組む一員として、私たちも一層努力していきたいと思います。

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